税収見込み 2012 2 12
2012年2月12日の時事通信社のニュースには、このようなものがありました。
「消費増税前にデフレ脱却を=麻生元首相」
自民党の麻生太郎元首相は12日、
フジテレビの番組に出演し、
消費増税の前にデフレ脱却を先行させるべきだとの認識を示した。
麻生氏は、橋本内閣による消費増税の結果、
所得税が減ったことなどにより税収総額が落ち込んだことに触れ、
「安易に増税しても増収にならない」と強調。
「優先順位の一番はデフレ解消だ。
政府支出を増やし、経済を成長させるしか道はない。
(そのためには)雇用を確実に生む公共事業は大きい」と述べた。
(以上、引用)
デフレの最大の被害者は、税収でしょう。
普通は、サラリーマンの収入と考えるかもしれません。
しかし、よく考えてみてください。
確かに、リストラで給料がカットされ、収入が減ったと思うでしょう。
しかし、それは、「名目収入」が減っただけで、実質的には、どうなのか。
給料収入よりも、デフレによって物価が大きく下落すれば、
「実質収入」は、増えたことになります。
そういうわけで、「名目」では給料が減っていても、
「実質」では給料が増えていることが、あり得るのです。
しかし、さすがに税収には、「実質」という考え方はありません。
税収は、「名目」のみです。
税金とは、「名目」に税率をかけるものだからです。
さて、ここに簡略化した税収の数式があります。
税収=名目GDP×税率(税収弾性値は省略)
この十数年、政府は、結果的に、
名目GDPを小さくする政策を実施してきました。
その結果、税収不足を嘆くことになりました。
結局、政治家も官僚も、何がやりたかったのでしょうか。
彼らの本心は、いったい、何だったのでしょうか。
そこがよくわからないのです。
「事実は小説よりも奇なり」